不妊治療の一般検査・特殊検査(男性)

男性の検査項目は、女性に比べて、あまり多くはありません。というのも、現在知られている男性不妊の原因は、精子に関することがほとんどで、したがって、検査項目も、精子・精液関連に限定されているのです。

不妊に関する検査は、男性の場合、泌尿器科(ひにょうきか)の医師が行います。

初診の検査

男性が初診で行う検査は、問診、触診、視診、血液検査などです。

問診というのは、医師の質問に答える形式で行われます。過去の生活習慣、病歴、セックスに関することなどを、問診票に記入して答えるのが一般的です。

触診・視診では、体毛の状態を調べたり、精巣(睾丸)やペニスなどの状態を確認します。

血液検査では、ホルモンバランスや染色体などを調べます。

精液検査

精液検査は、文字通り精液を調べるわけですが、この検査は、男性の不妊に関する検査の中心となるものです。

マスターベーションで精液を採取し、その状態を調べます。ただし、一度だけの精液検査で、不妊の原因を突き止めることは、まず無理です。というのも、精液の状態は、その時々の体調に左右されるからです。したがって、再検査を求められたからといって、がっかりする必要はありません。それが普通のことなのです。

・精子数

精液検査では、精子の数を調べます。精液1ミリリットル中に2000万個以下なら、乏精子症(ぼうせいししょう)と診断され、全くない場合には、無精子症と診断されます。

・精子量

1回の射精で採取された精液がどれだけの量あるかも、問題になります。あまりに少ない場合は、逆行性射精と診断されることがあります。

・白血球数

精液1ミリリットル中の白血球の数が、100万個以上なら、膿精子症(のうせいししょう)と診断されます。

・精子奇形率

精子の奇形を調べます。正常な形態の精子が全体の30%未満なら、奇形精子症と診断されます。

・精子運動率

精子の運動の様子を調べます。正常な精子が全体の50%未満なら、精子無力症と診断されます。

精巣検査

精巣検査は、誰にでも行われる検査ではなく、無精子症と診断された人にだけ行われます。この検査によって、精液の中に精子が存在するかどうか、あるいは、成熟した精子がいない場合、どの段階まで精子が作られているのか、といったことを知ることができます。

すなわち、無精子症と診断されたからといって、その名の通り、精子がまったく存在しないというのではなく(そういう場合もあるけれど)、この精巣検査によって、精子が見つかるケースもあります。

精巣検査のやり方は、局所麻酔などで麻酔をし、精巣の組織を少し切除します。2,3oの豆つぶほどの大きさです。これを顕微鏡で調べるわけです。

精巣精管造影

精巣精管造影検査は、精巣でつくられた精子が正常に運ばれているかどうかを調べます。

精管に細い針で造影剤を注入し、これをX線撮影します。

精巣精管造影では、局所麻酔で陰嚢(いんのう)を10o程度切開します。そのため、術後数日程度痛みを感じることがあります。しかし、日常生活に問題が出るほどではありません。

精巣精管造影を行うことによって、精巣のわきにある精巣上体(副睾丸)とか精嚢(せいのう)の状態などを知ることもできます。

精子抗体検査

精子抗体というのは、通常、男性にはないものです。ところが、過去の感染症とか外傷などにより、まれに精子抗体がつくられている人もいます。血液検査をすることによって、この精子抗体を調べることができます。

ハムスターテスト

ハムスターテストとは、ハムスターの卵子を使って、精子が受精できるかどうかを調べる検査です。

ハムスターの卵子から透明帯を取り除き、これにヒトの精子をつけて受精率を調べます。

この検査を行うことで、人工授精・体外受精・顕微授精のいずれの方法が適しているか、判断の材料ができるわけです。

ホルモン検査

血液を採取し、ホルモンの状態を詳しく調べます。

黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチン(PRL)、テストステロン(男性ホルモン、T)などを調べます。