男性器のしくみ:不妊症・不妊治療の基礎

男性の性器の役割は、とてもシンプルです。精子を作り、それを女性の膣に送り込む。これだけです。

精子は、オタマジャクシのような形をしていて(顕微鏡でなければわかりませんが)、長さは約0.06o。セックスの際にペニスから膣に射精された精液のなかにあり、これが卵子と結合して受精卵となると、めでたく赤ちゃんが誕生します。

精子は、下垂体ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)によってつくられます。そして、黄体化ホルモン(LH)で男性ホルモンがつくられます。しかし、一般的に、男性の性器は、女性の性器ほどホルモンによる周期的な変化はありません。

ペニス=陰茎のはたらき

おちんちんのことです。セックスの際、膣に挿入され、そこで射精し、精液を膣に注入します。セックスで興奮しているときは硬く大きくなりますが、そうでないときは、ふにゃっとしていて、下にだらんと垂れ下がっています。通常のサイズは10センチ前後といったところ。興奮すると、1.5倍から2倍にまでなることがあります。性的な機能と大きさはまったく関係がなく、大きければそれだけ精力が強いわけではありません。

ペニスが性的興奮で大きくなるのは、ペニスを構成している陰茎海綿体と尿道海綿体に血液が集まり、それで大きく太くなるのです。いわゆる、勃起といわれる状態です。こうなると、ペニスは立派な性交器に変身するわけです。

精巣=睾丸のはたらき

ペニスの付け根にある袋状のもの、これが陰嚢(いんのう)と呼ばれるもので、この中に左右2個ある玉、これが精巣(睾丸)です。精巣の大きさはうずらの卵くらいで、女性の卵巣の大きさとほぼ同じです。一般的に、左側の精巣の方が、ちょっと下の位置にあります。

精巣は精子の製造工場です。そして、男性ホルモンを分泌しています。無数にある性祖細胞(せいそさいぼう)は、最初は未熟ですが、70日ほどで成熟した精子に成長していきます。

精巣は、精巣上体や精管につながっています。

精巣上体=副睾丸のはたらき

精巣上体とは、精巣の後ろの方にあって、精子の貯蔵庫の役目をしている臓器です。また、貯蔵庫であると同時に、精子を成熟させる酒蔵みたいな場所です。

精子は、この精巣上体で栄養を摂取し、受精能力を持つようになります。射精の機会があれば排出されますが、機会がない間は、精巣上体にたまったまま保存されています。

陰嚢のはたらき

いんのう、と読みます。ペニスの付け根にある袋状の器官です。陰嚢のなかには、左右2個の精巣(睾丸)があります。陰嚢の表面はしわしわで、引っ張るとけっこう広がります。つまり、しわしわの状態にしておくことで、空気と接する表面積を稼ぎ、それによって、熱がこもらないようにできているのです。不妊ぎみの男性はブリーフでなくトランクスをはくようにいわれますが、それは、この陰嚢のはたらきを阻害しないように、という意味です。

陰嚢の温度が上がると、精子の製造工場である精巣において、精子の生産状態が悪化するのです。

精管のはたらき

精管は、精子の通り道です。精巣上体から出て、膀胱の下のところで尿道と合流します。

前立腺のはたらき

前立腺肥大などという病名が有名ですが、前立腺は、栗の実のような形です。前立腺は、大部分は尿道の後方にあり、一部だけ尿道の前方にきていて、尿道を囲んでいます。

射精の際に、分泌液を排出管に押し出します。この分泌液は、乳白色で独特のニオイがあって、精液の80パーセントを占めています。前立腺は、栗の実のような形、といいましたが、この分泌液のニオイは、栗の花粉のニオイに似ています。

精子がこの分泌液に触れると、刺激されて、運動性が高まることが知られています。

精嚢のはたらき

せいのう、と読みます。精子が射精する直前に待機している場所、それが精嚢です。精巣上体が精子でいっぱいになると、精子は精管を通って精嚢に送られ、ここで射精の時を待つわけです。

精嚢の役割は、血液中のブドウ糖から果糖をつくり、これを精子に与え、エネルギーを注入することです。射精された精液は、ドロリとした状態になっていますが、これは、精嚢の分泌物のためです。

尿道のはたらき

ペニスのなかを通っている管です。ペニスは、普段はおしっこをするための器官で、膀胱からくる尿をその先から排出します。しかし、性的に興奮しているときは、尿道は閉じられ、尿道の途中から合流してきた精液を排出する器官に変身します。

クーパー腺

性交時に粘液を分泌する器官で、尿道海綿体の後部にあって、一対の腺と開口部でできています。