不妊症のチェック
不妊で悩んでいる人は、病院を受診する前に、まず自分でチェックしてみることをおすすめします。あんがい基本的な点を見落としている場合もあるからです。
不妊・不妊症のチェックとしては、女性特有のチェックポイント、あるいは、男性特有のチェックポイントというものがありますが、まず、男女に共通したチェックポイントを見ていきましょう。
<1>セックスの時期は適切か
妊娠をするためには、排卵日前後の7日から10日くらいの間にセックスをすることが大事です。
そして、その排卵日を知るためにも、基礎体温表を継続してつけるなど、日頃の心がけが必要になってきます。
<2>楽しいセックスをしているか
赤ちゃんが欲しいという気持ちが強いあまりに、セックスが子種を得るための儀式のようになってしまう夫婦も珍しくありません。目的意識が強すぎると、おうおうにして、こうしたことが起こりがちです。とりわけ、子づくりに熱心な女性の態度が、男性に嫌悪感をもよおさせるケースも数多く報告されています。
妊娠するためには排卵日前後の営みが必要であるからといって、それ以外のタイミングでセックスするなど何の意味もない、といわんばかりの態度をとっては、楽しい夫婦生活など送りようがないはず。排卵日前後にいいセックスができるためにも、その時期以外の夫婦のコミュニケーションも、おおいに大切にすべきでしょう。
<3>アルコール・たばこ・コーヒーなど
嗜好品が妊娠に影響を及ぼすことは、よく知られていることです。
たとえば、女性にとって、喫煙の習慣は、妊娠にさまざまな悪影響を与えます。たばこが卵管に与える影響は大きく、不妊の大きな原因の一つになります。さらに、たばこは、着床障害を引き起こす可能性が大です。
妊娠前の喫煙も問題ですが、妊娠してからも、喫煙を継続していた場合、未熟児(低体重出生児)が生まれる確率が高まります。
たばこの悪影響は、女性ばかりでなく、男性の場合にも見られます。喫煙をしている男性は、精子の運動能力が低下したり、奇形精子が増加するという報告もあります。
アルコール(酒)に関しては、量が問題です。少量なら、まったくのノープロブレムです。けれども、いつもきちんと少量で過ごせるかどうか、日頃の飲酒を振り返ってみてください。男性の場合、アルコールは、飲み過ぎると、ED(勃起障害)を引き起こす可能性大です。
コーヒーなどに含まれるカフェインですが、これもとりすぎは禁物です。報告によると、コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、2杯以下の女性に比べ、胎児の染色体異常や自然流産の確率が高くなるとのこと。また、結婚してから妊娠するまでの時期も、遅くなる傾向にあります。
<4>家系の問題〜不妊症の家系か?
近年、男性の不妊症が遺伝によるものである可能性が報告されています。したがって、夫の父親が不妊症であった場合、夫もその可能性が高いわけです。そして、かりに男の子ができた場合、その子も不妊症の可能性が高まります。
女性の場合、明確な調査・報告があるとはいえないものの、不妊治療を経験してきた医師などの感想では、やはり、家系的なものがあるといわれています。たとえ遺伝ではなくても、生活習慣などが似ているために、同様の病気にかかりやすくなる、ということかもしれませんが。
<5>不妊を招く過去の病歴
過去にかかった病気によって不妊を招くこともあります。
男性の場合、性感染症(梅毒、クラミジア、淋病、非淋菌性尿道炎など)とか、慢性病(糖尿病、結核、高血圧症)などをわずらったことのある人は、不妊症になりやすい傾向にあります。また、下腹部の手術(そ径ヘルニア、尿道とか精巣の手術)を受けたことのある人、高熱をともなう病気(マラリア、腸チフス、腹膜炎、思春期以降にかかったおたふくかぜ)をわずらったことのある人、こういう人は不妊になりやすいことが知られています。
女性の場合ですが、やはり、性感染症(クラミジア、淋病、トリコモナスなど)が危険です。また、下腹部の手術歴(腹膜炎、虫垂炎、そ径ヘルニア、出産時の帝王切開など)がある人は、不妊症になりやすくなります。結核、糖尿病、バセドウ病などの慢性病も、同様に、不妊になりやすくなります。
<6>太りすぎ・過度のダイエット歴
肥満の女性は、無排卵などの排卵障害を起こす確率が高まります。これは、ホルモンサイクルが狂うことから起こります。男性が肥満の場合も、運動能力の低い精子しか作られなくなる可能性が高まります。
太りすぎは禁物ですが、太ったからといって、過度のダイエットを行った経験を持つ人も、やはり危険です。2,3ヶ月で10キロ減らすダイエットなど、ムチャもいいところです。こうした過度のダイエットをすると、無月経とか無排卵の原因となります。子宮とか卵巣に大きな悪影響を与えるからです。
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太りすぎかどうかは、BMI (ボディ・マス・インデックス)という指標を使ってチェックするといいでしょう。
BMI=体重÷(身長×身長)
です。
たとえば、体重70キロで、身長が1.62メートルの人は、
70キロ÷(1.62×1.62)=26.6727・・・
となります。
BMIが26.5以上が太りすぎ、20未満なら痩せすぎです。
したがって、上の例では、「太りすぎ」となります。
<7>ストレス(精神的疲労)があるか
ストレスは、ホルモンバランスを乱します。大きなストレスがある場合、女性の場合は、生理の周期が乱れたり、止まってしまったりします。基礎体温表を継続して付けている人は、このへんのことは経験があることでしょう。
精神的疲労に対して、肉体的疲労は、特別激しい運動による疲労でない限り、休めば元に戻ります。妊娠への影響はほとんどないと言っていいでしょう。しかし、男性の場合、格闘技や自転車競技などにたずさわっている人は、精巣に悪影響がでる場合もあります。たとえば、ここに1つの報告があって、毎日20キロ以上自転車競技をしている人は、精子の数が30パーセントほど減少するとのこと。
不妊症のチェック(男性)
まず、性機能障害になっていないか、をチェックします。この障害は非常に心理的な側面が強く、性行為をしても勃起が不十分であったり、早漏で挿入前に射精してしまったり、逆に遅漏でなかなか射精できなかったり、ようするに、満足のいくセックスができない状態をいいます。
もっとも、性機能障害は、必ずしも心理的な原因だけで起こるものではありません。次のような病気が原因となるケースもあります。すなわち、糖尿病、精神病、腎臓病、高血圧症、甲状腺の病気、精巣の病気、脳や脊髄の病気など。
いずれにしても、男性の側に、こうした性機能障害が見られる場合は、女性としては、それなりに気を使って接するように心がけたいものです。当人である男性は、相当気に病んでいるはずなので、非難めいたいい方は避けるべきですし、必要なら、カウンセリングを受けることをおすすめします。
また、精巣の大きさも要チェックです。精巣とは、睾丸のこと。俗に○○タマと呼ばれる部分です。ペニスの大きさなどは、不妊には何の関係もありませんが、精巣の大きさは、精子の製造能力に大きな関係があるからです。
そもそも、精巣は精子を作る器官です。精巣があまりにも小さかったり、軽かったり、やわらかすぎたりする場合、かなりの確率で、精子の製造能力が不足していることが多いのです。
一般的に、精巣は、重さにして16グラムくらいといわれています。大きさでいうと、うずらの卵ほど。そして、これは、いわゆる「玉」の部分のことですから、実際には、そのまわりを袋が覆っていて、もう少し大きめに感じられるでしょう。
精巣が小さくて軽い場合、睾丸萎縮症の疑いが濃厚になります。睾丸萎縮症ではありませんが、なかには、精巣が陰嚢内におさまらず(つまり、袋の中に入っていない)、太ももの付け根のあたりにきていることがあります。この場合は、停留精巣と呼ばれ、これも不妊症の原因となります。
不妊症のチェック(女性)
(生理のチェック) 女性の場合、なんといっても、生理(月経)の状態が最も重要です。 一般的に、生理の周期は、28日〜32日です。かりに、これよりも短かったり、あるいは長かったりする場合でも、いつも同じくらいの周期で生理があるのであれば、これは正常です。 生理の周期で問題になるのは、異常に短かったり、あるいは長かったりする場合です。生理の周期が24日以内のものを、頻発月経(ひんぱつげっけい)と呼んでいます。また、39日以上90日未満のものを稀発月経(きはつげっけい)と呼んでいます。どちらも、問題アリです。 頻発月経では、ひと月の間に生理が2度来ることもあります。つまり、出血が2度起こるという意味ですが、この場合は、無排卵月経の疑いがあります。無排卵月経とは、排卵がないのに生理だけが起こることをいいます。 また、頻発月経では、子宮筋腫など、子宮に原因があることもあります。その他、甲状腺に異常がある場合も、生理不順になることがあります。 頻発月経とは逆に、稀発月経では、周期が長すぎることが問題です。そもそも、生理の周期が長いということは、1年間の排卵回数が少ないということになり、それだけ妊娠のチャンスが失われることを意味しています。 稀発月経の原因として考えられるのは、黄体機能や卵巣機能の不調です。 生理に関しては、周期の他に、生理痛の度合いも重要です。生理痛は、人によって違うとはいうものの、たとえば、ここ数年、急に痛むようになった、というのがとりわけ危険です。こうした生理痛は、子宮筋腫、子宮内膜症の可能性が大で、不妊をもたらす大きな原因となりうるケースです。 生理の際の出血量についても、やけに量が多かったり、場合によっては1週間以上も生理が続くこともあり、こうしたケースでは、卵巣の異常、子宮筋腫が疑われます。血液の病気が原因になっていることもあります。 生理の量については、不正出血というものも頭に入れておきましょう。不正出血の場合、少量の出血がだらだらと長く続いたりします。 生理が1日でぱっと終わってしまうような場合、ホルモンが崩れているケースがあります。また、子宮の発育不全とか無排卵である場合もあります。 (おりもののチェック) おりものの色はどうでしょう?一般的に、正常といわれるおりものの色は、無色か乳白色であり、ほぼ無臭です。そして、排卵期以外には、それほど分泌したりしないものです。したがって、排卵期以外に多めに出るとか、色やにおいに気になるところがあったら、何らかの病気を疑うべきでしょう。 おりものの色や量によって、次のような病気の可能性が疑われます。 ・カンジダ症:豆腐が固まったような白いカスが出て、かゆみがある ・トリコモナス膣炎:強いかゆみがあり、色は黄色 ・膣炎など:においが強く、濃厚な黄色 ・子宮・膣の炎症、子宮筋腫、ポリープなど:量が急に増える。色は問題ない。 (流産・中絶はあったか) 過去に中絶を何度もしているとか、中絶の際の手術に問題があったりとかすると、子宮内膜が荒らされていて、炎症とか癒着が起こり、これが不妊の原因となることがあります。ちなみに、中絶の回数が多い人は、流産の確率も高まることが知られています。 流産ですが、1回くらいの流産なら、「自然流産」ということばがあるように、それほど心配はありません。というより、全ての受精卵がそのまま赤ちゃんとして成長するほど、自然界は甘くないので普通です。無数の精子のなかには、染色体に異常がある精子があって、この精子が授精した場合には、「自然流産」という名の淘汰がなされるのです。 ただ、3回以上流産が繰り返されると、ちょっと問題です。こうしたケースでは、不育症とか習慣流産と診断されるはずで、何か問題があると見るのが普通です。 (冷え) 不妊症に限らず、冷えは女性の大敵です。冷え性にならないよう、できる対策は何でもトライし、そして、それを毎日継続することが大切になってきます。
