人工授精<不妊治療@>
人工授精と自然妊娠(通常の妊娠)との違いは、人工授精の場合、セックスなしに行われるという点、子宮に人工的に注入される精液を、事前に操作(濃縮・洗浄)しているという点、この2点です。
具体的には、まず、排卵期を予測します。これは、基礎体温とか超音波検査を使って確度を絞り込んでいきます。そして、絞り込んだ排卵期間に、男性から採取した精子を女性の子宮の中に注入するわけです。
この注入する精子ですが、上記のように、男性から採取した精子をそのまま使うのではなく、洗浄、濃縮といった操作を加えた上で、子宮に注入するのです。
しかし、そうやっていったん子宮に注入されてからは、あとは、通常の妊娠同様、精子と卵子の出会い、受精卵が子宮内膜に着床、といった過程をたどります。
(人工授精に副作用はあるの?)
人工授精を1度か2度行っただけで、無事、妊娠の成立ということになれば、これは副作用の心配など無用でしょう。しかし、実際のところ、1度や2度で妊娠できるほど成功率の高い方法ではないのです、人工授精は。
人工授精の妊娠率は10%前後といわれています。しかも、これは何度もトライした結果の平均値です。10回以上試みる人だって、別に珍しくはありません。
もしも人工授精で副作用があるとしたら、こうした数多くの人工授精を行った場合でしょう。何度も頻繁に人工授精を行うと、女性の体に抗精子抗体ができるケースがあります。つまり、男性の精子を<異物>として排除しようとする傾向ができあがってしまうわけです。
また、卵管水腫(らんかんすいしゅ)という、頻繁な子宮の操作の結果発生すると思われる症状も見られます。
(人工授精の実施で注意すること)
人工授精を行ったからといって、特別生活を変える必要はないでしょう。ただし、激しい運動は避けるべきです。
人工授精を行った後、出血することもありますが、これはそう長くは続かないのが一般的です。
とはいえ、場合によっては、下腹部痛が持続したり、出血量が多かったりするケースもあり、こうしたケースでは、当然、医師に連絡して指導を受けなければなりません。
人工授精は、すぐに妊娠できるような簡単なものではありません。したがって、2,3度試みて妊娠しなかったとしても、そんなに落ち込むような事態ではありません。うまく妊娠できなくても、常に前向きの気持ちでいることが大事です。
いま、基礎体温を継続して記録している女性は増えているようです。人工授精を実施した女性も、当然、基礎体温は継続してはかってください。自分の身体の変化を知る、最も手軽で、かなり信頼できる方法なのですから。毎朝、目が覚めたらそのままフトンのなかで体温をはかりましょう。高温期が3週間続いたら、妊娠です。その時を心待ちに、しっかり継続したいものです。
(人工授精のくわしい手順)
1)通常、予測した排卵日の当日または前日に行います。
2)人工授精の当日、男性の精液を採取します。これは、病院の別室でその気にさせるような写真等を見ながらマスターベーションして採取します。自宅が病院から近い場合は、自宅で行うことを許可されることもあります。なお、数多くの精子を採取するために、この日を迎える前の5日間ほどは、セックスやマスターベーションは控えなければなりません。禁欲ですね。
3)採取した精子は、そのまま子宮に注入するのではなく、病院で洗浄します。また、濃縮もします。
4)精子を子宮に注入します。女性は、内診台の上に乗ります。注射器のような器具で精子を子宮に注ぎこぎます。ほとんど一瞬の作業です。経験がないのですから、ヘンな感覚は味わうでしょうが、痛みとか苦しい思いはしないはずです。
5)精子の注入が終われば、あとは家に帰るだけです。クルマや電車もOKですし、徒歩も大丈夫です。通常、感染予防のために抗生物質が処方されるはずです。なお、病院によっては、大事をとって、精子注入後、しばらく安静にしてから帰宅するよう指導するところもあります(実際、その方が、安心ですね)。
