不妊治療の一般検査・特殊検査(女性)

初診で、問診や初診検査を行ったら、これらの結果を踏まえて、各種検査を行い、不妊の原因を突き止めていきます。一般検査、特殊検査とさまざまな検査があります。

こうした検査が一通り終わるには、2ヶ月から3ヶ月かかるのが普通です。いろんな検査を行うのは、不妊の原因を絞り込んでいくためです。

では、こうした一般検査、特殊検査を、それぞれの項目別に具体的に見ていきましょう。

ホルモン検査

血液を採取し、ホルモンの状態を調べます。もっとも、排卵や生理に関連したホルモンは、生理の周期によって非常に大きな変動を見せます。したがって、それぞれの時期に採血する必要が出てきます。採血は、大きく分けて3期あります。

女性は、毎月の生理があるので、出血には慣れているようですが、検査のための採血は、また別なようです。採血を嫌がる人がとても多いのです。しかし、不妊治療と採血は、切っても切れない関係があって、治療中はずっとつきまといますから、ここは、デンと、腹を決めましょう。

ホルモン負荷試験

上記のホルモン検査で異常が見つかった場合に、この検査を行います。この検査では、他のホルモンを人工的に投与して変化を見ます。

テスト薬を静脈注射し、注射前と注射後15分、30分、60分のホルモン値を調べます。

代表的なものとして、LH-RHテストがあります。LH-RHとは、黄体化ホルモン放出ホルモンの略語です。

この検査では、排卵障害の原因がどの部位にあるかを突きとめます。LH-RHを注射し、黄体化ホルモン(LH)や、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌パターンを調べます。

超音波検査

子宮や卵巣を詳細に調べるために、超音波検査を行います。下腹部や膣内から超音波を当て、反射してくる反射波を画面に映し出します。

超音波検査の種類としては、経腹超音波断層法といって、お腹の上から超音波を当てる方法と、経膣超音波断層法という、膣内から当てる方法とがあります。

不妊治療で行われる超音波検査は、ほとんどが経膣超音波断層法になります。

超音波検査によって、子宮筋腫が発見されることもあります。また、子宮内膜の状態を見ることもできます。そして、卵胞の成熟度がこの検査でわかり、これがこの検査を行う最も大きな意義だといってもいいくらいです。

というのも、排卵前の卵胞は、少しずつ大きく成長していくわけですが、その成長のサイズが、超音波によって測定でき、そのことによって、排卵の予測がかなり正確にできるのです。

ゆえに、排卵が近くなると必ず超音波検査が行われます。

また、よく知られているように、妊娠した場合には、妊娠5週以降になると受精卵が着床しているところ(胎のう)を、この超音波検査によって確認できます。

頸管粘液検査

この検査は、排卵の時期を調べるための検査です。

子宮頸管というのは、子宮の内部に雑菌が侵入するのを防ぐ役目をになっています。しかし、排卵期になると、精子が入りやすくなるように粘液をたくさん分泌するのです。この粘液が、頸管粘液と呼ばれるものです。

頸管粘液は、排卵期に量が増えるだけでなく、粘りが強くなり、伸ばすと糸を引くような状態になります(これを「牽糸性=けんしせい」という)。粘液検査では、針のついていない注射器で粘液を吸い取り、これを乾燥させ、顕微鏡で観察します。排卵が近いときには、「シダ状結晶」と呼ばれる、シダの葉っぱのような形に見えます。

この結晶の様子で、排卵の予測ができるわけです。

とはいえ、この頸管粘液検査では、排卵の正確な日時まではわかりません。そこで、尿検査や超音波検査などと併用して、排卵の日時を推測していきます。

子宮卵管造影検査

この検査は、子宮の状態を調べたり、ちゃんと卵管が通っているかどうかを調べたりするものです。

まず、子宮からヨードという造影剤を注入し、X線撮影をします。ヨードが入ったところは、X線を当てると白く浮かび上がります。反対に、入らない部分は黒く映ります。したがって、この白い部分、黒い部分を見ることにより、卵管がつまっているとか、細くなっている場所などが、はっきりわかるのです。また、子宮の奇形なども正確にわかります。

また、ヨードを注入するのは検査のためですが、しかし、ヨードの注入で、少々の卵管のつまりなら開通してしまうこともあり、結果として、検査兼治療となるケースもある、とても重宝する検査でもあります。

ただし、怖いこともあります。このヨードは、人によってはアレルギー反応を引き起こすこともあり、まれに命にかかわることも報告されています。したがって、この子宮卵管造影検査を行う際は、心配な人は、事前に医師に申し出る必要があります。心配な人というのは、アレルギー体質の人、以前ヨードを使った造影検査で湿疹などが出た、という人のことです。

フーナーテスト

フーナーテストは、排卵期に行われます。この検査では、女性の頸管粘液と、男性の精子の相性を調べます。

性交の4,5時間後に、女性の頸管内部と子宮内腔を調べ、そこにある精子の状態を観察します。

そういう検査なので、この検査をするには、医師から、この日にセックスするように、と指示が出されます。1回ですめばいいのですが、検査結果に疑問がでる場合は、繰り返し検査することになり、そうなると、また、セックスの日時を指定されたりします。ちょっと、ヘンな感じがするかも。

通気・通水検査

この検査は、卵管の通り具合を調べるものです。

通気検査では、2酸化炭素を注入します。

通水検査では、食塩水を注入します。

卵管の癒着が軽度のものなら、この検査を数回受けることで、かなり通りがよくなるので、検査兼治療として行われています。この点は、前出の、ヨードを使った子宮卵管造影検査と同様です。

ところで、この検査で卵管の癒着がはがれる際、痛みを感じるのが普通ですが、実は、この痛みの程度が重要で、どの程度癒着しているかの目安になるので、痛みの程度を医師に伝えましょう。とくに、痛みが大きい場合は、はっきりと伝えてください。

通気検査には2酸化炭素を使いますが、この2酸化炭素がちょっとしたイタズラをすることがあります。検査後に肩が痛くなるのです。これは、卵管を抜けた2酸化炭素が、肩に向かう神経を圧迫するためです。しかし、痛みは2,3日で取れるので、あまり心配はいりません。

腹腔鏡検査

卵管、卵巣などを広範囲に調べる検査です。

おへその下を2センチほど切開し、そこへファイバースコープを入れ、中を調べます。

この検査は全身麻酔で行います。したがって、入院が必要です。

腹腔鏡検査をする場合には、同時に卵管鏡検査を行うこともあります。卵管鏡検査では、卵管内の様子を見たり、癒着をはがしたりする検査です。

さて、腹腔鏡検査をしたら、1日くらい入院しますが、退院後はすぐに日常生活を送れます。

抗精子抗体検査

抗精子抗体という抗体があり、この抗体を持つ女性は、外部から侵入してきた精子を異物と見なし、攻撃してしまいます。したがって、精子は生きられず、生きても弱まってしまうのです。

この抗体の有無は、血液検査でわかります。かりに抗体があったとしても、低い数値であれば自然妊娠もできますし、数値が高い場合でも、人工授精や体外受精が可能です。

もっとも、この抗体の数値は、常に一定ではありません。したがって、定期的に検査を継続する必要があります。

子宮鏡検査

子宮筋腫や子宮の奇形、癒着などを調べる検査です。子宮に子宮鏡を入れ、内部の様子をモニタ画面で観察します。かりにこの検査でポリープが見つかったとして、それがまだ小さいものなら、検査の過程で取り除くことができます。