女性不妊の治療(頸管障害)
子宮の頸管に障害があると、精子が通過できなかったり、通過しづらい状況となって、不妊を招いてしまいます。
(頸管障害〜抗精子抗体〜)
人の体には免疫機能というものがあり、外部から異物が侵入したときにそれを阻止することで自らを守ります。けれども、本来阻止しなくていいはずのものまで阻止してしまうことがあります。
女性にとって、精子は異物ではありません、本来は。しかし、これを異物ととらえ、抗体を作ってしまうのが、抗精子抗体と呼ばれるものです。
どうして抗精子抗体ができてしまうのかというと、たとえば、外傷があります。また、人工授精を頻繁に繰り返したりして、この抗体ができてしまうことがあります。この場合、子宮の頸管からでる粘液の中に抗体が入り込んできます。その結果、子宮頸管を通りかかった精子がこの抗体に触れ、それ以上進めなくなってしまうのです。
かりに、頸管をなんとか通り抜けられたとしても、今度は、卵管で抗体に阻止されてしまいます。すると、当然、受精にはいたらないことになります。
こうなったら、体外受精を行うしかありません。体外受精なら、卵管も子宮頸管も通過する必要がないので、抗体の影響をあまり受けずにすむからです(100%影響を受けないということはない)。
抗精子抗体の具体的な治療方法は、まず、性交の際はコンドームを使い、抗体の力を弱めておきます。そして、ステロイド(副腎皮質ホルモン)を使って抗体を抑制します。そうしておいて、人工授精や体外受精を行います。
ようするに、男性の精子が女性の体に直接触れる機会を少なくすることが、この治療の要諦ということになります。
(頸管障害〜頸管粘液不全〜)
子宮の頸管では、排卵期になると、粘液が増え、増えることで精子がそこを通過していくのを助けます。しかし、その粘液が増えないことがあり、それが頸管粘液不全と呼ばれる症状です。
頸管粘液不全の原因は、頸管に炎症がある場合や、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌がうまくいかない場合、などが考えられます。
頸管粘液不全を治療するには、原因が炎症の場合、抗生物質を用います。また、原因がホルモン分泌にある場合は、ホルモン剤を使います。
(頸管障害〜頸管無力症〜)
これは妊娠が成立してからの障害です。
胎児を子宮の中にとどめておけずに、場合によっては、流産してしまうのが頸管無力症です。
そもそも、子宮頸管というのは、とても弾力に富んでいて、子宮に胎児がいても、外に飛び出してしまわないように、ぎゅっと口を締めています。しかし、この締めつける力がなくなってしまうのが頸管無力症なのです。
妊娠5ヶ月〜妊娠7ヶ月以降、大きくなった胎児を支えきれなくなって流産してしまう可能性があります。
子宮頸管無力症の治療ですが、子宮口が開き始めたばかりであるなら、子宮頸管をしばりつける頸管縫縮術(ほうしゅくじゅつ)を行います。
なお、子宮頸管無力症は、妊娠中に受ける超音波検査や内診で発見可能です。
